センター便り 2016年10月

2016.10sentahdayori日本列島を複数の台風が駆け抜けて、あの暑かった夏を一掃して行きました。季節が動き、秋が訪れました。遠い南の海で生まれた台風が日本の季節を変えていく。まさに「変化は外からもたらされる」実例でしょうか。歴史を見ても、いつも外から来たものが日本の世の中を変えていきます。仏教しかり、鉄砲しかり、黒船しかり、最近ではTPPしかり、そして時代が変わっていきます。

今月は、当センターの大きな変化についてお知らせせねばなりません。

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターは、新宿NSビル4階の分室を、2017年2月末をもちまして閉鎖し、以後の診療を東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター本部に一本化することになりました。

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター・NSビル分室は、1982年から34年間、多くの患者様方の診療を行ってまいりました。しかしながら、NSビル分室は複合ビル内の診療施設であり、休日や夜間の受診対応ができず、また緊急時にも十分な診療を行える体制が取れないことなどの問題があり、医療安全に対する社会の要請が年々強くなるなかで、患者様に安全、安心な医療を行うことが難しくなってまいりました。

現在、NSビル分室を受診されている患者様の診療は、2017年3 月以降は河田町にあります東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター本部にて行います。東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター本部では、現在も毎日300名以上の患者様を診療しておりますが、診察スペースを拡張する工事を実施して、NS分室から移られた患者様方が同じ曜日で、同じ医療が受けられるように最大限の配慮をいたします。東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター・NSビル分室は、膠原病リウマチ痛風センター発祥の地であり、私ども職員一同もNSビル分室の閉鎖は名残惜しい気持ちでいっぱいではありますが、適切な医療環境を維持するためにはやむを得ないことと考え、この度の決定に至りました。ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解をお願い申し上げます。

個人的な話で恐縮ですが、竣工したばかりのNSビルに当センターが開業した1982年12月に、私は東京女子医科大学に赴任いたしました。当時は好景気の真っただ中でした。西新宿に次々と高層ビルが建設され、企業も多方面に手を伸ばしていた分散化の時代でした。しかし、時代は変わり、現在はある意味では集約化の時代です。コンパクトに組織をまとめ、効率化を図ることにより、より良いサービスの提供をめざすことが一つの流れだろうと思います。診察室を1か所に集約することのメリットを、受診中の患者様方にお届けできるように、当センターの職員一同、力を合わせて尽力いたします。なにとぞご理解を得られますよう、お願い申し上げます。

2016年10月1日

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長 山中 寿