センター便り 2016年5月 |
風薫る五月。大陸の移動性高気圧が爽やかな風を運んできて、冬物のコートやセーターを一掃してくれる時期になりました。服装が軽装になるだけで、気分も軽くなるような気がします。折しもゴールデンウィークの真っただ中。楽しい時間を過ごされている方も多いことと思います。今年は、上手く休みを取れば、最大10連休になるそうですが、医療施設はどこもそんなに長く休めません。東京女子医大は土曜日もお休みではありませんので、3,4,5日の3連休以外は飛び石の休みが入るのみ。それでも、日常忙しくしている私たちには嬉しいものです。 私が連休で良かったと思うこと。何といっても職場から離れて自分の時間が持てることでしょう。子供たちも巣立ちましたので、連休に行楽地と言うパターンはなくなり、ゆっくりできる時間が増えました。休みの前の日など、嬉しくて、ついつい夜更かししてしまいます。次の朝もゆっくり寝ていられると思う解放感は最高で、好きな読書で時間を忘れます。それでいて、休みの日に限って早く目が覚めてしまうのです。そんな朝は、天気が良ければスニーカーを履いて散歩をしたくなります。普段のあわただしい朝とは違う、非日常の時間を満喫できるととても幸せな気分になります。 私にとって連休があると悪いこと。何といっても休みのしわ寄せです。連休の前後は外来も混みあいます。予約が取りにくかったり、待ち時間が長くなったりします。国民の祝日ですから休まざるを得ないのですが、私はその前後の外来の混雑を考えると、いつも休みたくないなあと思ってしまいます。私ども医師にとっては、患者さんの話をよく聞き、時間をかけて診察できるのが理想ですが、現実はそうではありません。多くの患者さんの予約が入っていると、後の患者さんをお待たせしないようにと、話を途中で切り上げざるを得ない場合もあります。患者さんはご不満だろうと思いますが、患者さんを満足させられない状況は私どもにとっても大きなストレスになっています。特に連休前後はご迷惑をおかけしておりますが、可能な限り柔軟に対応しておりますので、ご理解いただきたく存じます。 また、連休前に重症の患者さんがおられるときなどは、やはり心配します。膠原病リウマチ痛風センターは、毎日2名の医師が当直していて、病棟のケアや急患の対応をしていますが、連休中は人手も少なく、十分な体制が取れません。急変や不測の事態でなければ、可能な限り連休明けにお願いしたいと思います。 最後になりましたが、熊本、大分の震災でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げ、被災された方々にお見舞い申し上げます。一日も早く以前の生活に戻れますよう、お祈り申し上げます。 2016年5月1日 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長 山中 寿 |