センター便り 2015年8月

2015.8sentahdayori酷暑です。ギラギラ照りつける太陽からの熱だけでなく、本来は涼を運んでくれるはずの風まで熱気をはらんで我々を襲ってくるようです。かと思うと一点にわかに搔き曇り、猛烈な豪雨が降りだしたりします。体調管理が難しい季節です。もちろん熱中症には注意が必要ですが、寝苦しい熱帯夜のために、十分な休養が取れず、疲れを残したまま朝を迎えることも多いと思います。また屋内外の気温差に体調がついて行かないことも多いでしょう。冷房を強めすぎず、室内でも少しは汗をかくぐらいにして、汗をかいた分だけ水分を補うぐらいがちょうどいいのかな、と私は思っています。

今月からセンターの医師として2名の内科医が診療に加わります。針谷正祥先生と堤野みち先生で、お二人とも以前に当センターで活躍されていた先生方です。針谷先生は2003年から、堤野先生は2007年から東京医科歯科大学に異動され、膠原病・リウマチの診療、教育、研究にあたってこられました。この度、縁あって再び膠原病リウマチ痛風センターに戻られることが決まり、皆様方の診療にも当たられることになりました。お二人とも東京医科歯科大学では数多くの実績を残されて、日本のリウマチ学においては欠くべからざる医師に成長されました。その経験を当センターに活かしていただきたいと思っており、私は大いに期待していますし、患者さんをはじめ関係者の方々も大いに期待していただいて良いと思います。

当センターで診療する膠原病・リウマチ・痛風は慢性疾患であり、病歴の長い患者さんが多いと思います。以前お二人の先生方が担当されていた患者さんもまだ多く通院しておられると思いますので、何かの機会に、また診察していただくことがあると思います。その節にはよろしくお願いいたします。

マスコミの報道を見ていても、日本も世界もいろいろな問題が山積みです。我々の周りにも問題はいっぱいあります。世の中の人々すべてが満足する世界になればいいのですが、それは無理なこと。人間ひとりひとりは皆、違うので、何が満足かという基準も違います。皆の考えが違うこと自体は自然ですし、まったく構わない。でも皆が一致することはとても難しいと思います。また満足にはきりがない。ある程度の満足が得られたら、その先の満足を求めてしまいます。私は、皆が「それなりに満足」する世の中がちょうどいいのかな、それも現時点での満足だけでなく、将来の展望も含めての「それなりの満足」を求めるべきかな、と思ったりしています。

難しいことを考えていたら、昨日、頭皮に円形脱毛症ができているのを発見してしまいました。自分ではあまりストレスを感じていないつもりでしたが、それは私が鈍感なだけで、体は正直にストレスを感じていたようです。私自身ももっと健康管理に注意が必要だと身に染みて感じました。

酷暑が続きそうです。皆様も油断されぬよう、健康管理にご注意ください。

2015年8月1日

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長 山中 寿