センター便り 2014年8月 |
梅雨明けと共に猛暑がやってきました。太陽から地球に届けられる熱量は常に一定のはずなのに、どうして夏の太陽はこんなに眩しくて熱いのかと思ってしまいます。「地球の公転面に対して地軸が23.4度傾いているから季節が生まれる」ことは頭では分かっていても、どうも実感が湧きません。今の時期は「お暑いですね」が季節感のある挨拶ですが、明治維新で活躍した大村益次郎は、「夏は暑いのが当たり前です」と取り合わなかったとか。確かに必死に暑さを我慢しているところに「暑いですね」と言われるとムッとします。この気持ち、とてもよくわかります。我々凡人には「心頭滅却すれば夏また涼し」という境地に至るのは無理かもしれません。 ひとつお知らせです。膠原病リウマチ痛風センター入り口の内扉の前(風除室と言います)にエアコンをつけました。診療は原則的に朝9時から始まりますが、採血検査などは朝8時から始まります。それで朝早くから来院される患者さんも多いのですが、待合室の掃除や診察室の準備などで患者さんをお迎えできる状態にはなっていませんので、入り口のシャッターは8時ちょうどに開けます。朝早くからお待ちいただいている患者さんは、8時にならないとシャッターが開かないことをご承知で来られているとは思いますが、暑い夏や寒い冬にはつらい思いをさせているなあ、いつも心苦しく思っておりました。 そこで、今年の初めから風除室の天井にエアコンを設置しました。朝早くから汗をかきながらお越しいただいた患者さん方に少しでも涼をとっていただけたらと思います。外扉を開けたり閉めたりしますのでキンキンに冷えることはありませんが、お待ちいただく皆さんは、できるだけ外扉をお閉めいただくよう、ご協力をお願いいたします。 膠原病リウマチ痛風センターが扱うリウマチ性疾患は慢性的な経過をたどることが多いので、多くの場合通院は長期にわたります。私は当センターが開業した昭和58年から勤務しておりますが、そのころからのお付き合いの患者さんもたくさんおられます。そのような患者さんの場合、人生の少なからぬ時間を当センターの待合室で過ごしていただいているわけですので、待合室が少しでも快適な空間になるように、ソファー、空気清浄機やウォータークーラーなど工夫しております。今後ともいろいろ考えていきたいと思っておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。 この時期は熱中症に注意が必要です。人間の体は体温を一定に保つシステムがあり、気温が高いと発汗が多くなります。しかし大量に汗をかくと体内は脱水状態になります。「尿量が少ない」とか「しばらくトイレに行っていない」のは脱水のサインです。熱中症予防のために、こまめに水分を取ることをお勧めいたします。 秋の涼風を心待ちにしながら、猛暑を乗り切りたいと思います。くれぐれもご自愛ください。 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長 山中 寿 |