センター便り 2013年4月 |
今年は春の訪れが例年になく早く、桜も予想外に早く満開になりました。膠原病リウマチ痛風センターの前には桜並木があり、毎年きれいに桜が咲き誇ります。昨年、桜の枝が道路側に延び過ぎて一部の枝が切り取られてしまいましたので、今年はどんな桜風景になるか心配しましたが、例年に増して綺麗に咲いたように思います。特にセンター北側の駐車場は、ソメイヨシノの枝振りが良くて、頭上を仰げば桜の屋根に覆われているような気がします。 4月は新年度、新学期の始まり。新しい人々がたくさん加わります。当センターにも若くてフレッシュな顔ぶれが加わり、活気づく月でもあります。 また例年4月には日本リウマチ学会が開かれます。この「学会」のことについて少し説明いたします。我々のように大学に所属する医師は、自身の専門分野の「学会」に所属し、勉強をして試験を受けて専門医として認定され、学術集会で自身の研究を発表して、医学の進歩に寄与することを求められています。膠原病リウマチ痛風センターに所属する医師は全員「日本リウマチ学会」に所属しています。日本リウマチ学会には1万人近い会員が所属し、そのうち専門医は約4500名ですが、当センターは日本で最も専門医の数が多い施設です。当センターの医師は、専門医として日々の診療をするだけでなく、診療成績をまとめ、分析し、報告して、診療技術の向上や新しい治療法の開発などにかなりの時間を割いています。学会発表はそれらの研究が評価される場でもあります。 今年は4月18日から21日まで京都で日本リウマチ学会の学術講演会が開催されますが、当センターからも多くの医師が参加し、たくさんの研究発表をする予定です。毎年1000題を超える研究発表がありますが、当センターからは毎年50題以上を報告します。したがって日本リウマチ学会の期間中は休診が多く、またその前後は予約が混み合ってしまうことになって、患者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、医師のレベルアップのために必要であることをご理解いただきたく存じます。 当センターは開設以来30年が経過し、リウマチ性疾患の診療に関しては日本で最も大きな医療施設に成長しました。研究や教育も充実しており、活気もあって、まさに満開の桜を想起させます。桜はやがて散りますが、当センターの活気は衰えることがないようにしたいと、所長として日々精進しております。 朝夕はまだまだ寒い日々が続きます。くれぐれもご自愛のほど。 2013年4月1日 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 所長 山中 寿 |