センター便り 2012年9月
9月の声を聞いてもまだ暑い今年の夏。昨年依頼、震災、豪雨、猛暑と自然がかくも人間に厳しいのは、母なる地球が日本人に目を覚ませと言っているような気がしてなりません。ひとりひとりが見識を持ち、流れに掉さすことなく、ひとつひとつの事柄を是々非々で判断する。今、私たちにはそんな態度が求められているような気がします。
 
8月26日(日曜日)の朝に放送されたテレビ番組で「関節リウマチ」が取り上げられ、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターが番組作成に協力いたしました。BSでしたので視聴率は高くなかったかもしれませんが、私も出演して、急速に進歩している関節リウマチ治療を紹介いたしました。
 
テレビの健康番組といっても本当にさまざまなものがあり、とても格調の高いものからバラエティ色の強いものまであります。今回の番組はちょうど真ん中ぐらいでしょうか。病気に関する正しい情報をやさしく紹介するような番組でした。番組の中には病気の怖さ、つらさばかりを強調するものもありますが、私は番組を通して同じ病気で悩む人々に明るい見通しが届けられればと思って番組つくりに協力しました。実際にリウマチの治療は過去10年間で大きく様変わりし、かなりの患者さんが以前より格段に良い状態になっています。そのような実際の姿を全国の多くの人々に知っていただくことができれば、患者さんたちに対する社会の理解も深まるだろうと私は思っています。テレビをはじめとするマスメディアはそのための手段でもあります。今後も機会があればこのような報道にも協力しようと思いますが、その際にも正しい情報を伝えること、患者さん方を勇気づけることをお約束したいと思います。
 
番組の作成においてはセンターでも取材しましたが、4名の患者さんに協力していただきました。とても快くご協力いただきました皆様に心より感謝いたします。
 
涼しい気候の到来が待ち遠しいですが、もう少しの我慢。皆様くれぐれもご自愛のほど。
 
2012年9月1日
膠原病リウマチ痛風センター所長 山中 寿