センター便り 2012年8月

暑い夏です。猛暑+節電でつらい夏になりそうです。
「家のつくりようは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる」吉田兼好の「徒然草」の一節ですが、温度管理をエアコンに頼った密閉性の高い現代建築は、とても「夏をむねとすべし」状態ではないですね。

この状況に節電が加わると、大変な事態です。私が育った昭和の夏が懐かしく思い出されます。その頃に地面を黒々と染めて涼をもたらした打ち水も、現在では都会の太陽熱をたっぷり貯めこんだアスファルトが相手では、まさに焼け石に水。ましてや夕涼み、床几、風鈴や金魚などは、どれも忘れ去られた時代の遺物になるのでしょうか?

閑話休題。当センターは東京女子医科大学の付属施設であり、臨床・教育・研究の3つの使命があります。そして「より良質な医療」「より先進的な研究」「より魅力的な教育」の3つを目標として職員一同頑張っています。「より良質な医療」を目指して、現在、当センターでは検査システムの更新に取り組んでおります。最終的には、その日の採血の結果が、しばらくお待ちいただければ医師から説明できる状態にしたいと思っています。最初は緊急性の高い項目のみになりますが、これにより診断のスピードが高まるだけでなく、患者さんにとっても我々にとっても安心感の高い医療が提供できるようになります。現在鋭意努力しておりますので、今しばらくお待ちください。

7月中旬から9月中旬にかけては世の中も夏休みシーズンです。通勤電車も空間に余裕ができてきましたが、当センターの外来もちらほらと医師の休診があります。当センターの医師たちはよく働く勤勉な先生方が多いと思っていますが、我らも人の子であり家庭人。人並みのお休みをいただくこともご了解いただきたく存じます。皆様方も熱中症や夏バテで体調を崩しませんように、くれぐれも健康にはご留意ください。

2012年8月1日 
膠原病リウマチ痛風センター所長 山中 寿