センター便り 2012年7月
7月になり梅雨のど真ん中。青空が恋しい季節ですが、梅雨が明ければ今度はギラギラと太陽がまぶしい夏。雨の時は雨を恨み、晴れれば熱い太陽を恨みがちですが、梅雨の雨も夏の日照りも貴重な自然の恵み。梅雨を楽しみ、暑い夏を楽しむ、そんな気持ちになりたいものです。
当センターでは年に2回、公開講座「自分の病気を知ろう」を東京女子医科大学弥生記念講堂で開催しています。患者さんやご家族を対象にした勉強会で、毎年2回開催しています。つい先月も6月2日(土)に第33回公開講座を開催しました。毎回多くの方々にお集まりいただいており、今回は188名が参加されました。リピーターの方々も多いようです。当センターの公開講座は2部構成になっていて、第1部は当センターの医師からの講義。当センターが扱う病気とその治療についての最新情報をお伝えしています。限られた外来の診察時間では患者さんに十分な情報をお話しできませんが、このような勉強会で自分の病気に対する認識を高めていただくことは、とても有意義なことと考えています。
 
第2部は療養相談。医師や看護師、リハビリ職員を囲んでの相談会です。外来診療は医師などと1対1で行われますが、この療養相談はグループ討議です。自分の相談を人にも聞いていただき、また人の相談内容も聞いて知識を広げる、それが自分の病気の様子をより理解することにつながる、そんな勉強会です。さらに、この療養相談では「患者さんが患者さんを教える」というユニークな試みを取り入れました。関節手術を受けたとか、生物学的製剤を使っているとか、治験に参加したとかの経験を持つ患者さんにあらかじめ声をかけさせていただき、参加した患者さんやご家族にご自身の体験や感想を語っていただいています。インターネットの普及により医療に関する情報はあふれていますが、やはり体験した患者さんの生の声は貴重であり、とても好評のようです。患者さんにはボランティアで参加していただいておりますが、会の最後には感謝状を私から贈呈しております。ご協力いただきました方々には改めて感謝申し上げます。
 
次回は2012年12月1日(土)午後に開催いたします。もちろん入場無料、当センターに受診中の患者さんのみならず、当センターを受診していない患者さんやご家族も参加できますので、お気軽にご参加ください。
 
梅雨が明ければ暑い夏。電力消費量を気にしながらのつらい季節になりますが、くれぐれもご自愛のほど。
 
2012年7月1日 
膠原病リウマチ痛風センター所長 山中 寿