センター便り 2019年1月

sentatayori01平成最後のお正月です。昭和、平成のような元号が中国に端を発することはよく知られていますが、今では元号を使っている国は日本だけだそうです。確かに西暦と和暦を併用することで、少なからぬ混乱もありますが、理解しやすい時代区分でもあると思います。大正ロマンとか、昭和の雰囲気とか、元号が入るだけで、どんな時代であったかが心に響きます。では、平成がどんな時代であったか、現時点ではいろんな意見があると思いますが、次第に評価が収束されて、50年もすれば平成と言えば***な時代だったなあ、との評価が固定されると思います。平成の次は、どんな元号で象徴される時代になるのか、楽しみです。今年は時代も変わりますが、私に大きな変化が起こる年でもあります。良い1年になるよう、さらに精進したいと思います。

ひとつお知らせがあります。「センター便り」と題して毎月の初めに書き綴ってきましたこのコラムですが、「リウマチ歳時記」という書名で、今月、1月15日に出版されます。一般の人々にも読んでいただける書籍ですので、「センター便り」ではいささか味気ない、少しは情緒のある名前にしたい、と考えて、「リウマチ歳時記」と名付けました。大手出版社の幻冬舎に引き受けていただきましたので、書店の店頭にも並ぶと思いますし、アマゾンなどでも購入できると思います。ぜひご一読ください。
私が「センター便り」を書き始めたのは、2011年8月、東北大震災の後で電力需給がままならず、節電が求められていた厳しい夏でした。当センターを受診されている患者さんに、少しでもメッセージが届けられたら、とセンターのホームページに短い文章を書き始めたのがきっかけです。

同じ書くのであれば、毎月書いてみよう。

同じ書くのであれば、診察待ちの時間つぶしに読んでもらおう。

同じ書くのであれば、患者さんたちに少しでも最新の医学情報を伝えよう。

同じ書くのであれば、患者さんたちに当センターの雰囲気を知っていただきたい。

同じ書くのであれば、私が常々考えていること、思い描いていることも、書いてみたい。

同じ書くのであれば、読んでいただいた人の気持ちが穏やかになるような文章を書いてみたい。

すこしずつ欲が出てきて、6年半が過ぎました。毎月1日にホームページに掲載すると共に、待合室でもコピーを配布するようになりました。最近では、この文章を書くことが毎月末の習慣になり、私にとっての至福の時間になりました。

【以上、本書より引用】

昨年5月1日に、膠原病リウマチ痛風センターが、東京女子医科大学病院に統合されましたので、「リウマチ歳時記」には、その直前の2018年4月までの記事が収められています。2018年5月以降の記事も、書き溜めた段階で出版したいと思っておりますので、今しばらくお待ちください。まずは、拙著「リウマチ歳時記」を、お時間の許すときに手にとって、楽しんでいただければ、私にとって望外の喜びであります。

寒い冬です。インフルエンザの流行の兆しもあります。くれぐれもご自愛いただきますように。

2019年1月1日

東京女子医科大学病院 膠原病リウマチ痛風センター 教 授山中 寿