センター便り 2018年7月

centertayori7毎年、このセンター便りの7月は、梅雨の話題から始めるのが通例でした。ところが、今年は、あろうことか6月29日に梅雨が明けてしまいました。観測史上初めてだそうです。確かにぎらぎらと照りつける太陽は真夏のものです。しかも、アスファルトが溶けるほどの暑さ。いろんなことが起こる世の中で、ちょっとぐらいでは驚かないぞと思っていましたが、6月の梅雨明けはさすがに驚きです。空梅雨ですから、水不足が心配。早速、東京の水源である利根川水系、荒川水系、多摩川水系のダム貯水量をホームページで見てみましたが、今のところだいたい平年並みで安心しました。水不足になると心配で見ているのですが、たぶん今年の夏は、時々見たくなると思います。

膠原病リウマチ痛風センターが東京女子医科大学病院内に移転して2か月がたちました。以前のこじんまりしたクリニック体制から、突如として大病院の中に取り込まれたわけですので、相当の混乱がありました。医師たちも患者さんのデータ移行に相当の時間を費やしているのですが、何よりも通院中の患者様には、とてもご迷惑をおかけしました。この場で心からお詫び申し上げます。

東京女子医科大学には、医師や看護師も含めて全体で4000名を超える職員が働いています。従来の膠原病リウマチ痛風センターは150名ほどでしたから、とても大きな組織に組み込まれたことが分かります。また、今更ですが、病院はとても複雑な組織です。国家資格のある専門職だけでも、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、管理栄養士、社会福祉士など、たくさんの専門職があります。その他にも、医療事務、医療秘書、医事コンピューターなどの専門家もいて、まさに専門職集団です。さらに多くの事務職の方々が支えています。受付事務員だけでなく、多くの事務職が、日々の診療や保険請求などに従事しています。

組織が大きくなればなるほど、その運営は複雑になり、難しくなります。専門職の集合体では、なおさらそうです。例えば、空港。パイロットやキャビンアテンダントはほんの一握りで、航空管制官や整備士や多くの地上係員が運営を支えています。例えば、建築や土木の現場。設計技師から現場監督、重機を操作する人、外装、内装、電気、水道、ガスなどなど。多くの職種が集まって作業が進みます。病院は医療安全が最優先ですから、守るべきルールがいっぱいありますが、空港や建設現場でも安全は最優先ですので、どんな安全ルールがあるのか、とても興味が湧いてきました。ヒマができれば、勉強してみたいと思いますが、現状ではとってもヒマがないですね。

今年は、暑く、そして長い夏になりそうです。夏が長い分、夏休みも長くなればいいな。。。皆さまの声を代弁させていただきました。

暑い夏、特に脱水に気を付けて、元気に乗り切っていただきますよう、お願いいたします。

2018年7月1日

東京女子医科大学病院 膠原病リウマチ痛風センター 教授 山中 寿